●翼の王国 1999年9月号(全日空機内誌)

『孤島のセーター』(16p・文章と写真を担当)

スコットランド北部の北海あるシェトランド諸島。あともう少しで北極圏というこの北の果ての群島から生まれた伝統の編物、「フェアアイルセーター」のことを取材しました。

フェアアイルセーターというのは、多種多色の鮮やかな模様を編みこんだセーターなのですが、シェトランド諸島というのはその色彩に似つかわしくない風土。天候が崩れると(またそうなる日々が多いのですが)果てしなく陰鬱な風景になってしまいます。島の女性たちはなぜ色彩溢れるセーターを創造できたのか?その答えは、文化果つるような辺境の島々での、心豊かな暮らしに・・・

●翼の王国 2009年2月号

『いただきさんが通る』(12p・文章と写真を担当)

四国の玄関で讃岐うどんの町・高松の朝。

誰もが会社へ、学校へと急いでいる、そんなあわただしい道の上を、ゆったりと、歩くような速さで進む自転車がある。

まるでそこだけ、周りとは違う時間が流れているようだ。

自転車の右横には箱型の台車がとりつけられ、その中に新鮮な魚をどっさりと積み、包丁やまな板、バケツ、秤をガチャガチャいわせながら、ギイコギイコと街を流していく。

この小さな魚屋を、高松の人は敬愛を込めて「いただきさん」と呼ぶ―。

四国一の都会・高松の街で、戦後から変わらぬスタイルで魚を行商している「いただきさん」のことを紹介しました。いただきさんのことをここまできちんと取材し、発表したのは全国紙では初だと思います。

●翼の王国 2000年11月号

『おへんろさん2000』(10p・文章を担当

タイトルの「2000」は取材・執筆した年の西暦2000年から。

このころは遍路(歩き遍路)ブームの始まりぐらい。まだ他のライターや雑誌があまり目をつけていないテーマでしたが、地元四国人として歩き遍路の増加をいち早く察知、特集記事にしました。

歩き遍路がなぜブームになりつつあるのか?2000年の歩き遍路はどんな人たちなのか?どんな思いで歩いているのか?そして四国の人々は歩き遍路たちをどのように見守っているのか?

そんなことを取材しました。

●翼の王国 2009年8月号

『あの夏の香川』(5p・写真担当)

香川県の伝統産業、「丸亀うちわ」を紹介しました。

うちわ職人の手元の所作も、うちわも美しく、撮影には熱が入りました。

丸亀うちわがこの先も残っていくにあたっての手助けが、少しは出来たかと。

●オブラ 2004年2月号 (講談社)

『日本酒で二人晩酌/広島酒の男衆』 (6p・文章を担当)

酒処としての一般的知名度は上越や東北に比べて低い広島県。しかしそこは吟醸酒発祥の地で、優れた杜氏を輩出してきました。その広島県で、吟醸酒ばかりでなく、いつもの家庭の味にあう晩酌酒についてもこだわって酒造りにはげむ、若き蔵人たちを取材。それまで日本酒が苦手だった私ですが、この取材を通じて日本酒好きに。きちんとまじめにやっている酒蔵の日本酒はとても美味しい、高いお金を出さなくても美味しい、ということがよくわかりました。

 

 

●四国旅マガジンGajA 2001年8号(SPC出版) 

ふだん着の天然水(14p・文章を担当) 

暮らしの水は大地よりあふれ出る天然水、という西条市のことを紹介。

西条市(現在では旧西条市といったほうが正確だが)では管を地中に打ち込むと天然水が吹き出すため、上水設備はほぼなく、美味しい天然水が日常的なのです。